10年ほど「織ること」を作品制作の手段としているが、着尺についてはベールに包まれた遠い存在のように感じていた。
皆が愛してやまない絹の魅力、そして着用するための布、ここに大切なものがある気がして、今回着物制作に至った。
この取り組みを彩ってくれた染料は、京都の奥山、花脊の各地域に自生する植物。昔から人の生活とともにあった草木や木の実を緯糸に、そして近年花脊の上桂川流域に繁茂している外来種を経糸に用い、着物に閉じ込めた。
昨年秋より、3ヶ月間川島テキスタイルスクール技術研修コースに通い、経絣(部分的に緯絣も)の着物を制作した。
協力:NPO自然観察指導員京都連絡会
助成:日本美術家連盟「美術家のための支援事業」